2023年10月に登場したGoogleの最新スマホ、Pixel 8シリーズ。
標準モデルのPixel 8と、上位モデルのPixel 8 Proがラインナップされています。
今回は両モデルが手元に揃ったので、性能や使い勝手、価格などを詳しく比較したいと思います。
どちらのモデルが良いか気になる方はぜひ参考にしてみてください。
スマホ系ライター・ガジェットブロガーのShinoです。
X(旧Twitter)・Instagramもあります!
Pixel 8シリーズの概要
Pixel 8シリーズはGoogleが2023年10月に発売した最新スマートフォン。
今回比較するPixel 8とPixel 8 Proがラインナップされています。
Pixel 8シリーズの特徴は何と言ってもAI機能。
PixelシリーズはスマホのAI機能に早くから取り組んでいたので、AI機能を体験したい方にはおすすめのシリーズです。
今回はこの2機種を詳しく比較して、どちらがどんな方におすすめなのか、解説していきたいと思います。
Pixel 8とPixel 8 Proの外観・デザインを比較
Pixel 6シリーズから続く特徴的なカメラバーデザインはPixel 8シリーズでも継承されています。
また、Pixel 8シリーズは前作と比べて少し丸っこいデザインになりました。
全体的なデザインは無印とProで共通しています。
一方で、質感は大きく異なり、無印の背面パネルは光沢仕上げ、Proはマット仕上げとなっています。
どちらが良いかは好みが分かれるところですが、指紋の目立ちにくさを重視するならマット仕上げのProがおすすめ。
また、側面フレームやカメラバーの質感も異なっています。こちらは背面パネルとは逆で無印がマット仕上げ、Proが光沢仕上げです。
どちらも質感は悪くないですが、個人的にはProの背面マット、側面光沢の組み合わせの方が高級感を感じました。
また、カラーバリエーションはそれぞれ以下のようなラインナップになっています。
Pixel 8 | Hazel(ヘイゼル):緑がかったグレー Obsidian(オブシディアン):黒 Rose(ローズ):ピンク Mint(ミント):ミントグリーン |
Pixel 8 Pro | Bay(ベイ):青 Obsidian(オブシディアン):黒 Porcelain(ポーセリン):クリーム色 |
黒系のオブシディアンはどちらのモデルにも共通して用意されていますが、それ以外のカラーはそれぞれのモデルにしかありません。
気になるカラーがある方はそれで選択するのもアリかもしれませんね。
Pixel 8とPixel 8 Proのサイズ感を比較
Pixel 8とPixel 8 Proの大きな違いの1つがサイズ感です。
項目 | Pixel 8 | Pixel 8 Pro |
---|---|---|
本体サイズ(縦×横) | 150.5 x 70.8 mm | 162.6 x 76.5 mm |
厚さ | 8.9 mm | 8.8 mm |
重量 | 187 g | 213 g |
画面サイズ | 6.2インチ | 6.7インチ |
Pixel 8は6.2インチなので比較的小型、Pixel 8 Proは6.7インチなので大型のスマートフォンです。
それに伴い、本体サイズも上記の表のように異なっています。
Pixel 8のサイズ感は日本人でも扱いやすく、特に横幅が70mm台なので片手での文字入力も快適です。
一方のPixel 8 Proは片手操作は難しいですが、6.7インチの大画面を活用できるメリットがあります。
また、重量も30g近い差がありますね。取り回しの良さで選ぶならPixel 8一択と言っていいでしょう。
スマホに「取り回しの良さ」と「画面の大きさ」のどちらを重視するかで選ぶことになりますね。
Pixel 8とPixel 8 Proの処理性能を比較
Pixel 8とPixel 8 ProはどちらもSoCにGoogle Tensor G3を採用しています。Google独自開発のSoCで、AIや機械学習に特化しています。
各種ベンチマークテストの結果を比べると以下の通り。
Pixel 8 | Pixel 8 Pro | |
---|---|---|
Antutu V10 | 1,126,330 | 1,126,511 |
Geekbench6 | シングル:1,732 マルチ:4,451 | シングル:1,738 マルチ:4,244 |
3DMark(Wild Life Extreme) | 2,414 | 2,402 |
同じSoCなので当たり前と言えば当たり前ですが、ほぼ同じスコアですね。
発売直後は「Proの方が高性能」という声も見かけましたが、記事執筆時点(2024年2月)では差はありません。
実際に使用していても快適性に差は無いですね。
また、Tensorシリーズのチップは同世代のSnapdragon 8シリーズと比べて性能が低い傾向がありますが、Tensor G3もSnapdragon 8 Gen 2と比べれば性能は控えめ。
とはいえ、Snapdragon 8+ Gen 1くらいの性能はあるので、普段使いなら十分高性能です。
ガチ勢には物足りないと思いますが、どちらのモデルも重めのゲームを普通に楽しむことは可能。
ただ、RAM容量は無印が8GB、Proが12GBと差があるため、マルチタスクになってくると差を感じることもあるかも。
正直、普段使いでは違いを感じることはありませんが…
Pixel 8とPixel 8 Proのディスプレイを比較
Pixel 8は6.2インチ、Pixel 8 Proは6.7インチの有機ELディスプレイを搭載しています。
Pixel 8 | Pixel 8 Pro | |
---|---|---|
サイズ | 6.2インチ | 6.7インチ |
パネル種類 | Actuaディスプレイ(OLED) | Super Actuaディスプレイ(LTPO OLED) |
解像度 | 1,080×2,400 | 1,344×2,992 |
ガラス | Gorilla Glass Victus | Gorilla Glass Victus 2 |
アスペクト比 | 20:9 | 20:9 |
リフレッシュレート | 60/120Hz | 1〜120Hz |
画面輝度 | 最大輝度1,400ニト ピーク輝度2,000ニト | 最大輝度1,600ニト ピーク輝度2,400ニト |
Pixel 8シリーズのディスプレイにはActuaという名前が付いており、いずれのモデルも最大120Hz駆動の有機ELディスプレイを搭載しています。
ただ、リフレッシュレートは無印が60Hzと120Hzの切り替え式、Proは1〜120Hzの可変式となっており、滑らかさな動作は共通していますが省電力性能はProが優れています。
また、ディスプレイ面のガラスは無印がGorilla Glass Victus、ProはGorilla Glass Victus 2なので、キズの付きにくさもProの方が上ですね。
実際の表示を比べてみると、やはりサイズ感の違いが目立ちます。動画などの迫力や電子書籍などの読みやすさを求めるなら6.7インチのPixel 8 Proがおすすめです。
画面輝度も差がありますが、無印でも十分明るいですね。屋外で写真撮影するときなどの視認性はどちらのモデルも優秀です。
また、実際に並べてみて気づきましたが、色味が若干異なりますね。無印の方が暖色寄りというか、黄色っぽい。有機ELなんですが液晶っぽさを感じる発色。
Pixel 8単体で使っていれば問題ないとは思いますが、2機種を比べてみるとやはりPixel 8 Proのディスプレイの方が発色は綺麗だと思います。
Pixel 8とPixel 8 Proのバッテリー持ちを比較
Pixel 8は4,575mAh、Pixel 8 Proは5,050mAhのバッテリーを搭載しています。どちらも比較的大きめのバッテリーを搭載していますね。
実際のバッテリー持ちを比較するため、両機種で4KのYoutube動画を1時間垂れ流してみました。(ネットワークはどちらもWi-Fiを使用)
バッテリーの推移は以下の通りです。
テスト前残量 | 1時間後残量 | 減り | |
---|---|---|---|
Pixel 8 | 83% | 78% | 5% |
Pixel 8 Pro | 92% | 82% | 10% |
今回のテストでは、Pixel 8の方が2倍ほどバッテリーが長持ちという結果になりました。
ただ、実際に使っている感覚ではそこまでの差は無いように感じています。
Pixel 8はほぼ開封したままの状態ですが、Pixel 8 Proの方は普段使いしているため他のアプリが多く入っていることも影響している気がする…
いずれのモデルも、バッテリー持ちがすこぶる良いわけではありませんが、1日は十分使えるだけのバッテリー持ちは備わっています。
「バッテリー持ちでどちらを買うべきか判断する」ほどの差は無いでしょう。
Pixel 8とPixel 8 ProのAI機能を比較
Pixel 8シリーズの特徴の1つがAI機能です。しかしながら、無印とProではAI関連の機能に若干の差があります。
例えば、以下の機能はPixel 8 Proは利用できますが、Pixel 8では利用できません。
- 動画ブースト
- ビデオ夜景モード
- レコーダーアプリの要約機能(現時点で英語のみ)
- スマートリプライ(現時点で英語のみ)
Pixel 8 Proのみの機能があるのは、GoogelのAIモデルであるGemini nanoがProにのみ実装されているため。
そこで、Pixel 8とPixel 8 Proで共通で使える機能でも精度や速度に差があるのか気になったため、編集マジック機能を同時に使ってみました。
結論から言うと、Proが速かったり無印が速かったりと「Proが圧倒的に高性能」という感じではありませんでした。
やはりSoCが同じなので基本的なAI性能も共通ということでしょうか。
AI機能で無印かProか選ぶなら性能の高さより「使える機能の数」で選ぶことをおすすめします。
Pixel 8とPixel 8 Proのカメラを比較
続いてカメラ性能を比較します。Pixel 8とPixel 8 Proのカメラスペックは以下の通り。
Pixel 8 | Pixel 8 Pro | |
---|---|---|
広角カメラ | 50MP(f/1.68, 1/1.31インチ) | 50MP(f/1.68, 1/1.31インチ) |
超広角カメラ | 12MP(f/2.2) | 48MP(f/1.95) |
望遠カメラ | – | 48MP(f/2.8) |
最大ズーム倍率 | デジタルズーム:8倍 | 光学ズーム:5倍 デジタルズーム:30倍 |
最も大きな違いは5倍望遠カメラの有無。シンプルにズーム性能を求めるならProがおすすめ。
また、超広角カメラも無印は12MPですが、Proは48MPになっています。Proの方は3つのカメラすべてが高画素センサーを搭載していることになります。
それでは、利用できる機能の違いや、実際の作例を紹介します。
機能・UIの違い
Pixel 8とPixel 8 Proには搭載されているカメラ機能に差があります。
まずはプロ設定。
両モデルともシャッターボタンの右側のボタンから明るさなどが調整できるんですが、Proの方は調整できる項目が多くなっています。
両モデルに共通して調整できるのは「明るさ」「シャドウ」「ホワイトバランス」の3つ。
Pixel 8 Proのみ、さらに「フォーカス」「シャッタースピード」「ISO」の項目が追加されています。これまでのPixelとは異なる方向性の新機能ですが、こだわって写真撮影を行いたい方におすすめ。
シャッターボタンの左にあるボタンで開ける設定だと、Pixel 8 Proのみ高画素モードやRAW撮影、レンズの手動選択ができる項目があります。
普段から多用する機能ではないですが、フラッグシップモデルらしくプロユースもある程度想定した機能が多いのがPixel 8 Proという感じですね。
実際の作例
ここからは実際の作例を見ていきます。画像は基本的に左がPixel 8、右がPixel 8 Proです。
まずは超広角の0.5倍。センサーの画素数は無印が12MP、Proが48MPですが、写真の解像度自体はあまり差がありません。ピクセルビニングによってProも12MP出力になっているためと思われます。
それ以上に無印の色味がかなり鮮やかなのが目立ちます。これはPixel 8のレビューでも述べましたが、Pixel 8の超広角カメラは広角カメラと比べても色味が鮮やかになる傾向があります。
その点、Pixel 8 Proは超広角カメラも広角カメラ同様に落ち着いた色味なので、使い勝手はProの方が優れていると言えます。
続いてメインの広角1倍。こちらは両モデルとも同じスペックのものを搭載しています。
これは特に差はありませんね。どちらも十分綺麗に撮れています。
ここからズームしていきます。まずは2倍。
Pixel 8 Proは5倍以下のズームでも5倍望遠のデータを重ねることで解像度を高めており、拡大してみると2倍の時点でPixel 8よりもPixel 8 Proの方が自然なズームをしていることが分かります。
とはいえ、Pixel 8もまだまだ十分綺麗にズームできていると言えるでしょう。
続いて4倍ズーム。
こちらも2倍と同様に、Pixel 8 Proの方が自然なズームができています。
Pixel 8の方は写真としての実用性だと4倍くらいが限界だと思います。
では6倍ズーム。Pixel 8 Proはここから完全に5倍望遠を使用した写真になります。
ここからはPixel 8 Proの方が優れていることが一目で分かりますね。
Pixel 8の方はスマホの画面で見るくらいなら十分ですが、それでも塗り絵感が強い。
次に8倍ズーム。Pixel 8にとっては最大のズーム倍率です。
Pixel 8も写っているものの形は捉えられていますが、補正で頑張って何とかした雰囲気です。とはいえ、望遠カメラを搭載しないモデルでここまでズームできるのは十分高性能と言っていいでしょう。
Pixel 8 Proの方はまだまだ余裕がありますね。以下、Pixel 8 Proの8倍以降のズームです。
30倍が最大倍率ですが、まだまだ寄れそうなくらい綺麗ですよね。
少なくとも10倍くらいだと十分綺麗に撮れています。ズーム性能で選ぶならPixel 8 Pro一択でしょう。
とはいえ、ズーム以外の場合はPixel 8でも全く困ることはありません。手持ちで星空も綺麗に撮れちゃいます。
プロ設定の有無といった違いもあるので、「普段使いなら無印で十分、ちょっとこだわりたいならProがおすすめ」というイメージで選んでいただければと思います。
Pixel 8とPixel 8 Proの価格を比較
Pixel 8とPixel 8 ProはGoogleストア、ドコモ、au、ソフトバンクにて購入可能です。
執筆時点のそれぞれの価格は以下の通り。
Pixel 8 | Pixel 8 Pro | |
---|---|---|
Googleストア | 112,900円~ | 159,900円~ |
ドコモ | 119,900円~ いつでもカエドキプログラム:実質47,828円~ | 198,000円~ いつでもカエドキプログラム:実質135,960円~ ※256GB |
au | 93,600円~ スマホトクするプログラム:実質22,047円~ | 169,900円~ スマホトクするプログラム:実質87,400円 |
ソフトバンク | 94,320円~ 新トクするサポート(スタンダード):実質22,008円~ | 172,080円~ 新トクするサポート(スタンダード):実質94,320円~ |
イオシス(2024年2月時点) | 74,800円~94,800円 | 112,800円~149,900円 |
Pixel 8はキャリアでの廉価販売が盛んで、定価でもGoogleストアよりauとソフトバンクの方が安いという状況になっています。
一方のPixel 8 Proは通常通りGoogleストアが最安。
いずれのモデルもイオシスでは安く購入可能で、特にPixel 8 Proは今だとイオシスが安くておすすめ。
ただ、シンプルに価格の安さを求めるならPixel 8の方がおすすめですね。キャリアで割引を利用すると実質47円や24円なのでかなりお安い。
Pixel 8とPixel 8 Proの比較まとめ
今回はPixel 8と上位モデルのPixel 8 Proを比較しました。
Pixel 8がおすすめな人 | Pixel 8 Proがおすすめな人 |
---|---|
取り回しの良さ重視の人 AI機能にそこまで興味が無い人 カメラで遠くをズームすることが少ない人 価格の安さ重視の人 | 大きいスマホを許容できる人 とにかく画面は大きい方が良い人 AI機能を積極的に活用・体験したい人 カメラもこだわって撮影したい人 価格が少々高くても問題ない人 |
全体的に見て「普段使いはPixel 8で十分、プラスαを求めるならPixel 8 Pro」という感じで、AI機能やカメラなど、よりこだわって利用したい方がProを選ぶ形になると思います。
無印のPixel 8は価格的にもかなり買いやすいので、「普通に使えるPixelスマホが欲しい」という方はPixel 8を選んでおけば問題ないでしょう。
ただ、個人的にはPixel 8のディスプレイの色味と超広角カメラの色味がどうしても受け入れがたいポイント。特に超広角カメラの色味が広角カメラと違うというのはハイエンド機としてはかなり微妙です。
Pixel 8シリーズで迷ったときに、今回の記事が参考になれば嬉しいです!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
GakuGadgeでは他にもスマホやガジェットに関する記事を公開しているので、良かったらもう1記事読んでみてください。
コメント