2023年9月に日本でも発売されたASUSの最新ハイエンドスマホ、Zenfone 10。
最近では珍しいコンパクトさを売りにしたハイエンドモデルとして、スマホ好きからも注目を集めていますね。
今回はZenfone 10の国内版を購入してしばらくメイン機として使い込んだので、レビューをしていきたいと思います。
前作のZenfone 9も使っていたので、2機種の比較などもお届けいたします。それでは、最後までお付き合いください。
スマホ系ライター・ガジェットブロガーのShinoです。
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- 取り回しの良いサイズ感
- シンプルになったデザイン
- ASUS特有の使いやすいカスタマイズ、独自機能
- 高い処理性能と安定性
- 驚異的なバッテリー持ち
- ワイヤレス充電対応
- カメラは全体的にもう少し頑張ってほしい
- ベゼルが太い
Zenfone 10の概要
Zenfone 10は2023年9月に国内発売されたASUSの最新スマホです。
コンパクトさが強くアピールされており、実際に横幅は70mm以下、重量も170gほどに抑えられています。
詳しいスペックは以下をご覧ください。
Zenfone 10 | |
メモリ構成(GB) | 8/1288/25616/512 |
カラー | ミッドナイトブラック コメットホワイト エクリプスレッド オーロラグリーン スターリーブルー |
チップセット | Snapdragon 8 Gen 2 |
本体サイズ | 68.1×146.5×9.4mm |
重量 | 172g |
ディスプレイ | 5.9インチ 最大144Hz駆動有機EL |
バッテリー容量 | 4,300mAh |
充電 | 有線:最大30W ワイヤレス:最大15W |
生体認証 | 電源ボタン一体型指紋認証 顔認証 |
防水防塵 | IP68 |
おサイフケータイ | 対応 |
背面カメラ | 広角:50MP(F1.9) 超広角:13MP(F2.2) |
Zenfone 10のデザイン
Zenfone 10のデザインは基本的に前作を踏襲しています。
他のスマホにはあまり無いザラっとした質感の樹脂素材を背面に採用し、背面右上には特徴的な大きなカメラが2つ並んでいます。
側面フレームはフラットなんですが、このように背面パネルが若干ラウンドしているので意外と手にフィットします。
Zenfone 9と言えば背面のプリントも特徴的だったんですが、Zenfone 10ではこのプリントは若干控えめになっています。ガンダムっぽさは減りましたね。
カメラレンズ周りの仕上げも上品になった印象で、全体的なデザイン性は向上していると感じました。
また、前作も今作も筆者はホワイト系のカラーを選びましたが、前作がくすんだベージュっぽかったのに対し、Zenfone 10のホワイトはしっかり白になっています。
背面素材も少し変更されており、ホワイトの質感はザラっと感が減っており普通のプラスチックっぽい質感になっています。ここは和紙のような不思議な質感だった前作の方が好み。
Zenfone 10のサイズ感
ZenfoneシリーズはZenfone 8からコンパクトさを売りにしており、今作もコンパクトハイエンドとして推されています。
前作のZenfone 9と比べると、Zenfone 10のサイズは厚み以外は変わっておらずほとんど同じと言えます。
横幅が抑えられているので片手操作がしやすく、重さも172gなので長時間持っていてもそれほど負担を感じません。
この取り回しの良さはZenfone 10の大きな魅力と言えるでしょう。
とはいえ、6.1インチ級の他社製品と並べたときに特別コンパクトかと言われるとそんなことはありません。
あくまでコンパクトさが強くアピールされているだけなので、iPhoneのminiモデルのような小ささを求めて買うモデルではない気がします。
Zenfone 10の処理性能、動作
Zenfone 10はSoCにSnapdragon 8 Gen 2を搭載しています。
最新のハイエンド向けチップなので性能はかなり高いです。普段使いなら持て余すレベルなので文句はありません。
使っていて発熱はそこそこ感じますが、それだけ外部への発熱が上手くできていると言えるのではないでしょうか。
発熱時も性能や動作が格段に悪くなることは無いので、安定性にも優れています。
このサイズ感でしっかり高性能かつ安定性も高いことはZenfone 10の良さと言えますね。
ゲームをがっつりやりたい場合にも十分おすすめです。
Zenfone 10のディスプレイ
Zenfone 10は5.9インチの有機ELディスプレイを搭載しています。
リフレッシュレートは最大144Hzに対応していますが、これは一部のゲームでしか利用できず普段は最高120Hz駆動で使うことになります。
もちろん120Hzでかなり快適で、SNSやWebのスクロールもヌルサクです。
また、5.9インチという小さめなサイズが気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、極端に狭いと感じることは無くスマホとして十分使えるサイズだと思います。
画面輝度は他社ハイエンドと比べると若干劣るかもしれませんが、普段使いならそこまで不満を感じることはありませんでした。
また、ベゼルはハイエンド機としては太い印象を受けやすいですが、iPhone 15と並べて見ると左右のベゼルに限ればZenfone 10の方が細いですね。
ベゼルが少々太くても基本的にはすぐ慣れてしまうので個人的にはあまり気にしていませんが…
Zenfone 10のバッテリー
Zenfone 10は前作から引き続きバッテリー持ちがかなり優秀です。
4,300mAhという容量を考えるとびっくりするくらいの持ちで、1日は余裕ですし何なら2日目も割と何とかなりそうな勢いです。
小型軽量のハイエンドモデルでここまで持つのは驚異的ですし、小型軽量のモデルに限らなくても十分優秀なバッテリー持ちになっています。
Zenfone 10を使ってみて「バッテリー持ちが悪い」と評価する人はほとんどいないのではないでしょうか。
バッテリー持ち重視ならかなりおすすめな一台です。
Zenfone 10のカメラ
Zenfone 10は5,000万画素の広角カメラと1,300万画素の超広角カメラを搭載しています。
静止画性能をチェック
まずは広角域の作例をチェック。
この日は曇っていたのですが、一応昼間だとこれくらいは撮れます。普段使いなら十分実用的な性能だと言えるのではないでしょうか。
2倍ズーム時でもすでにデジタル処理が加わっている感がそこそこありますが、2倍くらいであればSNSにも上げられる仕上がりです。8倍ズームになるとなかなか厳しい。
また、超広角カメラと広角カメラの色味の差、というより明るさの差は強いかもしれません。超広角の方が暗いです。
全体的にはのっぺり感があるというか、スマホで撮った感が強い印象です。(スマホなので当たり前ではありますが。)
最近の他社ハイエンドと比べれば若干物足りないというのが正直な感想です。
次に色味などをチェックしてみましょう。
こちらは広角1倍の作例。非常に鮮やかな発色ですね。SNS映えはしやすい傾向にあると思います。
次にズーム時の色味をチェックします。SNSでズーム時の色味が失敗しやすいという声を見かけたので撮ってみました。実際に最大の8倍ズーム時は空と海の色味が変ですね。まぁ、ここまでズームしてそこまでの正確さを求めるかは別ですが。
明暗差のあるシーンで撮ってみました。HDRオフ時は後ろの空が白飛びしていますが、HDRオンにすると背景も白飛びしていません。ただ、全体的な色味や自然さはHDRオフの方が勝っているでしょうか。
続いて食レポ撮影。こちらは特に変な色味も無く、美味しそうに撮れてますね。わかめの質感や温玉のトロッと感はしっかり表現できていると思います。
ポートレートモードでの作例です。1枚目が1倍、2枚目が2倍です。被写体をしっかり認識して処理ができています。色味はこちらも結構鮮やかめ。
ただ石像の表面の質感はあまり上手く捉えられていないですね。特に2倍ズームはデジタル処理が入っていることもあり「うーん…」という感じ。とはいえ普段使いなら十分実用的だと思います。
最後に暗所、夜景撮影です。いずれもHDRオフで撮影しました。明るいところは十分撮れていますが、暗いところはそこそこ暗いままでノイズも目立ちます。
シーンにもよりますが、暗いシーンはHDRオンにした方が夜景モードより綺麗に撮れることもありました。この辺りは好みによると思いますね。
少し長くなりましたが、Zenfone 10のカメラについてまとめるとこんな感じです。
- 普段使いなら普通に使えるレベルの性能
- ただ全体的にのっぺり感が気になる
- 色味は若干鮮やかめ
- ズーム性能はそれほど良くない
- 暗所は比較的暗め、ノイズは多め
- 全体的に他社ハイエンドには及ばない
また、シャッターボタンを押してから実際に画像が記録されるまでにラグがあり、ここは使いにくいですね。
せっかくジンバルを搭載しているのに手ブレしてしまうことがあり残念です。
Zenfone 10はハード的にはミドルレンジ帯のものとそれほど変わらない部分があるので仕方ない部分ではありますが、カメラはソフト面も含めて少し使いにくさは感じました。
動画性能をチェック
こちらはZenfone 10で撮影した動画の作例です。手持ち撮影ですが、十分綺麗に撮れていると感じました。
また、Zenfone 10のカメラの特徴の1つに6軸ジンバル搭載という点がありますが、その効果はしっかり出ていると思います。
スマホのカメラは歩きながら動画撮影すると足が地面に着いたときの振動を拾ってしまいますが、Zenfone 10ではそれがほとんどありません。
手ブレも抑えられていて、上下の揺れも滑らかなので実際にジンバルを使って撮ったような動画になります。
動かずに撮影したのがこちら。
写真と同じ評価になりますが、全体的にのっぺり感があって葉が重なる立体感はそこまで出ていないように感じました。
やはりZenfone 10は普段使いなら問題ないレベルの性能ですが、カメラ性能重視の方は物足りなさを感じるのではないでしょうか。
Zenfone 10とZenfone 9の違い
さて、Zenfone 10とZenfone 9の違いについて見ていきたいと思いますが、正直言って以下の1つしかありません。
ワイヤレス充電対応の有無
その他はほとんど同じですね。処理性能は差がありますが基本的に普段使いで違いを体感できる機会はありません。
そのため、今から敢えてZenfone 9を購入することも十分おすすめです。IIJmioではZenfone 10だけでなくZenfone 9もかなり安くなっているのでコスパは抜群です。
Zenfone 9について気になる方はこちらのレビュー記事も合わせてご覧ください。
Zenfone 10をメイン機にしてみた総評
さて、ここまで細かくZenfone 10のレビューをお届けしましたが、全体的な感想を最後にまとめていきます。
コンパクトハイエンドは正義
これは間違いないですね。「小さいのに高性能、しかもバッテリーも持つ」これがZenfone 10の魅力そのものです。
手に収まるサイズ感ながらSnapdragon 8 Gen 2の性能をしっかり引き出せていて、安定性も高いです。
これ1台で普段使いからゲームまでしっかり活用したい方には嬉しいのではないでしょうか。
コンパクトハイエンドというカテゴリは最近では選択肢が少なくなっているので、ASUSにはニッチな市場を攻める戦略をこのまま貫いていってほしいですね。
ASUS独自機能はやっぱり便利
ASUSのスマホはAndroidをカスタムしたZen UIなんですが、見た目はPixelのような純正Androidと同じです。
しかし、細かい設定や便利機能が豊富で、設定次第で自分好みの一台を細かく作り込んでいくことができます。
これはASUSのスマホらしさであり、他社と比べても魅力的なポイントと言えると思っています。
特にZenfone 9と共通の電源ボタンをスワイプして操作を割り当てられるZen Touchは個人的にかなり気に入っています。
ASUSのスマホを使っている方や購入した方はぜひ設定アプリから色々いじってみてください。
大きな弱点はカメラ
Zenfone 10の大きなデメリットを挙げろ、と言われたら筆者はカメラ性能を挙げます。
一応綺麗に撮れるのは撮れるんですが、シャッターラグはかなり気になってしまいました。普通に使いにくいです。
また、暗所撮影の弱さやズーム時の色味の不安定さを考慮すると、他社ハイエンドと比べれば劣っていると評価せざるを得ません。
せっかく6軸ジンバルを搭載しているので、カメラ性能はもう少し頑張ってほしいところです。今後ソフトウェアアップデートなどで改善されていくと良いですね。
Zenfone 10の価格・購入方法
Zenfone 10はいわゆるSIMフリー端末で、大手キャリアでの取り扱いはありません。
AmazonやASUS公式ストア、その他家電量販店などのECサイトや、IIJmioなどの格安SIMで購入することができます。
ASUS公式ストアでの価格を紹介します。
最低構成の8/128GBモデルは99,800円と昨年から据え置きです。国内発売されているSnapdragon 8 Gen 2搭載機では最安レベルですね。
その他のモデルもそこそこ安いので、コスパという面では非常におすすめな一台です。ただし、メモリ容量によってカラー展開が微妙に変わっているので注意が必要です。
容量 | 価格(税込) | カラー |
Zenfone 10(8/128GB) | 99,800円 | ミッドナイトブラック |
Zenfone 10(8/256GB) | 112,800円 | ミッドナイトブラック スターリーブル― オーロラグリーン コメットホワイト エクリプスレッド |
Zenfone 10(16/512GB) | 134,800円 | ミッドナイトブラック スターリーブル― |
また、IIJmioをはじめとした格安SIMでは他社からの乗り換えなどで、定価よりかなり安く購入できる場合もあります。
以下の記事で詳しく紹介しているので、合わせてチェックしてみてください。
Zenfone 10実機レビューまとめ
本記事ではZenfone 10の実機レビューをお届けしました。
Zenfone 9で優れていた「コンパクトさ」「性能の高さと安定感」「バッテリー持ち」がしっかり継承されており、よくこのサイズにまとまっているな、という感じの一台です。
取り回しが良いので普段使いしやすく、コンパクトなスマホが好きなら非常に魅力が感じられると思います。
一方で、カメラ性能は微妙な部分も多く、用途やカメラへのこだわり具合によってはおすすめしにくいとも言えます。
ただ、このサイズ感と背面の質感、ASUSらしいカスタマイズ性の高さは他にはない魅力なので、気になる方は各種ECサイトや格安SIMをチェックしてみてはいかがでしょうか。
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