2023年5月に発売されたGoogleのPixel 7a。廉価版ながらハイエンド並みの性能でコスパ最強と言われたPixel 6aの後継モデルです。
Pixel好きな筆者もしっかり購入して、約1カ月色々と触ってみたのでメリット・デメリットなどをレビューしていきたいと思います!
- 上位モデルのPixel 7と同じ使い勝手
- デザインが安っぽくない
- リフレッシュレート90Hzで快適性アップ
- カメラも普通に実用的
- サイズの割に重い
- ベゼルが太くて野暮ったい
- ストレージ容量が128GB一択
Pixel 7aの概要
まずはPixel 7aのスペックと価格をざっくり紹介。
スペック
Pixel 7aは2023年5月に発売されたGoogleのスマートフォンです。
位置付けとしてはPixel 7シリーズの廉価モデルで、立ち位置としてはミドルレンジ帯に属します。
しかしながらSoCはGoogle Tensor G2、RAM8GBと上位モデルのPixel 7と全く同じ構成なので、性能的にはほぼハイエンド並みなのが最大の特徴。
その他、リフレッシュレート(60Hz→90Hz)、カメラ性能などが前作のPixel 6aからスペックアップしています。
スペック表はこちら
国内発売日 | 2023年5月11日 |
カラー | Sea、Snow、Charcoal、Coral |
SoC | Google Tensor G2 |
RAM | 8GB |
本体サイズ | 72.9×152.0×9.0mm |
重量 | 193.5g |
バッテリー容量 | 4,385mAh |
充電 | 有線:最大18W ワイヤレス:最大10W |
ディスプレイサイズ | 6.1インチ |
リフレッシュレート | 最大90Hz |
アウトカメラ構成 | 広角:64MP(F1.89 1/1.73インチ) 超広角:13MP(F2.2) |
生体認証 | 画面内指紋認証 顔認証 |
防水防塵 | IP67 |
価格
Googleストア | 62,700円 |
ドコモ | 75,350円 |
au | 63,890円 |
ソフトバンク | 79,920円 |
Pixel 7aはGoogleストアのいわゆるSIMフリー版以外に、ドコモ・au・ソフトバンクの3大キャリアから発売されています。
ドコモがPixelを扱うのはかなり久しぶりで、何気に注目ポイントです。
Googleストアの定価は62,700円で、Pixel 6a比で約9,000円値上げとなっています。
キャリアだとauがほぼGoogleストアと同じ価格で、ドコモとソフトバンクは7万円台後半となっています。
ただ、キャリアショップで実質24円~の大幅値引きキャンペーンも多く行われているので、キャリアで買うならそっちを使うのがおすすめ。
Pixel 7aのデザイン
Pixel 7aはパッと見のデザインは上位モデルのPixel 7と同じです。
背面パネルは光沢仕上げ、側面フレームはマットな金属なので雰囲気はほんとに同じ。筆者のメインスマホがPixel 7のSnowなので、比較用に今回は同じSnowのPixel 7aを買いました。
こちらの写真、どちらがPixel 7aか分かりますか?少し見ただけじゃほぼ分からないんじゃないでしょうか。
それくらいPixel 7aのデザインは安っぽく見えない仕上がりだと言えると思います。
分かりやすい違いはカメラバーのサイズで、Pixel 7aの方が少し小さめで厚みは結構控えめになっています。
さらに細かい部分ですが、サイドボタンの質感がPixel 7は光沢仕上げなのに対し、Pixel 7aはフレームと同じ素材になっています。
また、背面素材が純粋なガラス(Pixel 7)と、樹脂とガラスの複合素材(Pixel 7a)という違いがあるので、背面をコツコツ叩いたときの音が違っています。
Pixel 7aのサイズ感
Pixel 7aは6.1インチのディスプレイを搭載したモデルですが、ベゼルが太いので同じ6.1インチのGalaxy S23 や無印iPhoneと比べると本体サイズは大きいです。
なんなら6.3インチのPixel 7と横幅はそんなに変わりません。そのため、片手操作は意外と厳しいです。
また、重量も190gを超えていて、6.1インチ級のスマホとしては重いです。200g以下ではあるので、ずっしり感がしんどいまでは無いですが、軽くはないです。
総評としては、6.1インチなのでかさばる感覚は無いものの、取り回しの良さはそうでもないという感じです。
取り回しの良さを重視するなら、横幅が短くて軽量なXperia 10 Ⅴや、ハイエンド機なら160g台のGalaxy S23 なんかがおすすめです。
Pixel 7aの処理性能・動作
すでに述べましたが、Pixel 7aのSoCはGoogle Tensor G2、RAMは8GBなので廉価モデルながら上位モデルのPixel 7と同じ構成となっています。
ベンチマークスコアもおおむね同じ感じです。
この数字は最新のハイエンド機(Galaxy S23など)には及ばないものの、SNSなどの普段使いなら十分快適に使える性能を示しています。
少なくとも、定価6~7万円台の他社ミドルレンジスマホと比べると、ダントツでPixel 7aが高性能です。この点はPixel 7aがコスパ最強と言われる所以ですね。
今作からリフレッシュレートが90Hzに向上したことで、表示の滑らかさも快適な体験に繋がっていると感じました。
Pixel 7aのディスプレイ
Pixel 7aは6.1インチの有機ELディスプレイを搭載しています。リフレッシュレートは最大90Hzとなっており、Pixel 6aの60Hzから向上しています。
やはりリフレッシュレートは最低でも90Hzはあった方がゲーム以外の日常使いでも快適だと思います。
廉価モデルということでスペックが落とされているか心配な方もいらっしゃるかもしれませんが、発色や解像度は基本的に十分だと思います。
画面輝度の数値は公表されていませんが、最大1,000ニト(ピーク時1,400ニト)のPixel 7と並べてもこの通りで、そこまで差は無いように感じました。
めちゃくちゃ明るいというわけではありませんが、直射日光下でなければ基本的には問題ないレベルだと思います。
ベゼルが太い点は少し気になりますね。普段ハイエンド機ばかり触っているので結構野暮ったく見えます。
Pixel 7aのバッテリー
Pixel 7aのバッテリー持ちについては「いたって普通。」という感想を持ちました。
極端に悪いことは無いですが、めちゃくちゃ優秀なわけでもなさそうです。
大抵の人は1日は普通に使えるレベルじゃないでしょうか。
バッテリーの異常消費というニュースもありましたが、すでにGoogleが対応済みとのことで、今のところ使っていて問題はありません。
また、Pixel 7aがPixel 6a比で進化したポイントの1つにワイヤレス充電対応というのがあります。
ワイヤレス充電をよく使う人にとってはPixelのaシリーズに手が出せなかった壁が無くなったと言えますね。
ただ、純正のPixel Stand(第2世代)を使っても最大7.5Wという充電速度はなかなか遅いです。
ここは上位モデルとの差別化がなされていますが、7.5Wだとさすがにストレスが溜まるレベルで遅いと思います。
Pixel 7aのカメラ
カメラ性能もPixel 6aから向上しています。実際の作例を見ても結構綺麗に撮れていると感じました。
上位モデルのPixel 7と比べてみても、明るいところだと良い勝負だと思います。
超広角の画角は結構広いですね。ビルに囲まれた街中とかだと結構面白い写真が撮れるかもしれません。
ズーム性能もPixel 7とそこまで差は無いと思います。2~3倍なら実用的ですが、5倍以上はシーンによっては結構塗り絵状態です。
撮影時はPixel 7aの方がPixel 7よりほんの少し鮮やかめな色味に感じましたが、改めて比べてみると同じくらいでしょうか。
望遠レンズはありませんが、ポートレートモードでもしっかり被写体と背景を認識できています。
ただここまで撮れているのはやはり機械学習性能重視のPixelらしい魅力ですね。
Pixel 7aとPixel 6a・Pixel 7の違い
今のPixelは結構迷いやすいラインナップだと思うので、Pixel 7aをPixel 6a・Pixel 7aと比べてみましょう。
あくまで使用上で違いを感じやすいポイントに絞って紹介しています。
Pixel 7aとPixel 6aの違い
Pixel 7aとPixel 6aの違いは以下の通りです。
- RAM容量:6GB→8GB
- リフレッシュレート:60Hz→90Hz
- ワイヤレス充電対応
- 顔認証対応
- カメラ性能強化
- ドコモ取り扱いで対応バンドが幅広く
この中で使っていて違いが分かりやすいのはリフレッシュレートですね。
処理性能はそこまで変わっていないんですが、リフレッシュレートが90Hzになるだけで快適さがかなり増します。
また、顔認証もやはりあった方が便利です。指紋だけよりもスムーズにロック解除ができますね。
ドコモの通信バンドにも最適化された点も地味に大きい変化です。ドコモユーザー以外にドコモ系の格安SIMを使っている人にも恩恵があるポイントですね。
Pixel 7aとPixel 7の違い
- ベゼルの太さ
- カメラバーの厚さ
- ワイヤレス充電の速度
- 防水等級(Pixel 7aはIPX7、Pixel 7はIPX8)
- リバースワイヤレス充電の有無
見た目で分かりやすいのはベゼル幅ですね。慣れれば問題ないですが、比べるとPixel 7aの野暮ったさが気になります。
Pixel 7はワイヤレス充電でも有線充電時と同じ最大20Wで充電できます。筆者はこれに慣れているのでPixel 7aの7.5Wはめちゃくちゃ遅く感じます。
あとは防水等級の差も利用する環境によっては気になるポイントですね。
Pixel 7aがおすすめな人・おすすめしない人
最後に筆者が思うPixel 7aをおすすめできる人とそうでない人を紹介しておきます。
おすすめな人
- Androidスマホで価格を抑えつつ快適動作が欲しい人
- ミドルレンジ帯でワイヤレス充電が欲しい人
- Pixelを使いたいドコモ系ユーザー
- 手軽に綺麗な写真を撮りたい人
Pixel 7aをおすすめしやすいのは、「ミドルレンジ帯の価格でワンランク上の性能が欲しい人」だと思います。
処理性能、カメラ性能、ワイヤレス充電対応などはPixel 7aが同価格帯の競合製品と比べて頭一つ抜けている点です。
これらを重視する場合はPixel 7aは結構良い選択肢ではないでしょうか。
おすすめしない人
- 重いスマホが苦手な人
- ベゼルは細くないと嫌な人
- 最新ハイエンド並みの性能が欲しい人
- ストレージ128GBじゃ足りない人
Pixel 7aは6.1インチ級のスマホとしては重いです。特にミドルレンジ帯であればもっと軽いスマホはたくさんあります。
ハイエンド機で軽量なモデルが欲しいなら無印iPhoneやGalaxy Sシリーズの無印モデル、ハイエンドXperia当たりがおすすめです。
散々言っていますがベゼルは結構太いので、気になる場合は購入前に実機を確認することをおすすめします。
また、これは最近のPixel全体に言えることですが、最新の他社ハイエンドと比べると処理性能は若干低いです。
Tensor G2も2世代前のハイエンド機くらいの性能に留まっています。
原神などの重めのゲームを高画質で長時間安定してプレイしたい人には不向きです。ただSNSなどの普段使いは快適ですし、重めのゲームもそこまで求めなければ普通に楽しめます。
ストレージ容量は128GBの一択で、256GBなどの選択肢はありません。SDカードにも非対応なので写真や動画をたくさん撮る人は注意が必要です。
Pixel 7aのレビューまとめ
Pixel 7aはリフレッシュレートやワイヤレス充電といったPixel 6aの弱点とも言える部分がしっかり改善されています。
カメラ性能も向上しており、値上げされたもののコスパ最強Androidという評価はPixel 7aにも言えると思います。
ほとんどの一般ユーザーにおすすめですし、なんなら「Androidスマホで悩んでいるならとりあえずこれ見てごらん」って言えるレベルです。
ミドルレンジAndroidスマホだとGalaxy A54やXperia 10 Ⅴも出てきましたが、かなりの値上げが行われてPixel 7aより高価なんですよね。競争相手がPixel 7aなのでかなり可哀想です。
とにかく、Pixel 7aの完成度はかなり高く、レビュワーとしても非常におすすめしやすい一台でした。
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